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宮﨑駿の名を知らしめたSF作品「未来少年コナン」

未来少年コナン 日本を代表するアニメ監督といえば、スタジオジブリを率いる宮﨑駿監督です。宮崎監督は1984年に公開された劇場用アニメ映画「風の谷のナウシカ」で注目を集め、その後1986年「天空の城ラピュタ」、1988年「となりのトトロ」などで名声を確立しますが、その際に再注目を集める形となったのが、初監督作品である「未来少年コナン」です。

視聴率的には今ひとつだが影響力は絶大

「未来少年コナン」は、1978年にNHKで放送された全26話のアニメ作品で、宮崎監督の初監督作品でもありました。しかし、放送当時は視聴率的にも振るわず、評価としては佳作の域にとどまっていました。

しかしこれは、TV業界的な評価でしかありません。低視聴率で終わったとは言え、この作品を見て衝撃を受けた"将来のクリエーター"は数多かったといい、現在アニメ業界に従事する多くの関係者は「未来少年コナンを見てアニメの面白さを知った」と語ることが多いそうです。

また、当時新人としてこの作品の制作に関わっていたクリエーターにも多大な影響を与えています。その後「機動戦士ガンダム」シリーズを作る富野由悠季は、「未来少年コナン」には絵コンテ制作として参加していましたが、その後自身が監督を務める作品では「未来少年コナン」の展開、構成を大いに参考にしたといいます。独特の作風でしられる押井守も当時新人アニメーターでしたが、「未来少年コナン」の絵コンテ集から多くを学び、キャラクター演出などが後の作品に活かされていると語っています。

アニメの王道を確立!

「未来少年コナン」の物語は、さらわれた女の子・ラナを助けるために主人公の少年・コナンが活躍するという冒険活劇で、冒険作品の王道ともいえる展開を持っています。宮崎監督作品でも、「天空の城ラピュタ」などは同じ構造となっています。

作品の舞台は文明がほとんど滅んだあとの世界で、主人公・コナンも豊かな自然が残る島・のこされ島で暮らす野性的で純粋な少年です。コナンはラナを救うために島を出ますが、その過程では崖を駆け下り、空高くジャンプし、ラナを抱えて走ったりもします。非常にアニメ的な、非現実的とも言えるほどのパワフルさを持っていますが、その描かれ方はとてもイキイキとしており、ダイナミックでした。縦横無尽に駆け回るコナンや、文明が滅びつつある世界観、その中で残った文明、科学の力と自然の対比、作品が進むにつれて明かされていく謎などの仕掛けは、当時としては斬新なものであり、この描写や構成が多くのクリエーターに影響を与えたのです。

意外と見ていない人も多い名作

宮崎監督が一流クリエーターとなった今見返すと、その後に描かれる作品の基本的なエッセンスとなる魅力が、すでに詰め込まれていることに気づきます。昔と違い現在ではDVD化、ブルーレイ化もされているので、再視聴も容易です。視聴率的には今ひとつだっただけに、その評判は知っているけど実は見ていないという人も多い作品なので、未見であれば子供と一緒に視聴してみてはどうでしょうか。