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『フランダースの犬』に隠された逸話

『フランダースの犬』に隠された逸話誰もがラストシーンで涙した名作『フランダースの犬』。あの有名なラストシーンは、原作にはありません。原作とは違う、アニメの『フランダースの犬』に隠された逸話を、ここで紹介しましょう。

みんなが勘違いしているって知っていましたか

『フランダースの犬』は1975年から放送されたテレビアニメです。原作は同名小説の『フランダースの犬』です。フジテレビ系列の『世界名作劇場』で・・・と思っている方が多いのですが実はこれは勘違い。

放送当時は『世界名作劇場』ではなく、『カルピスまんが劇場』だったのです。とってもややこしいのですが、実際には初回~20話までが『カルピスまんが劇場』と放送され、  21話~23話が『カルピスこども劇場』、そして24話~26話で『カルピスまんが劇場』に戻りました。しかし後に発売されたDVDでは、製作の都合上『カルピスこども劇場』に統一され、『カルピスまんが劇場』のオープニングは幻のものとなりました。

パトラッシュの犬種は?

原作のパトラッシュと、アニメのパトラッシュでは犬種が違うことは知られていますね。でも、本当は原作でもアニメでもパトラッシュの犬種は明確には語られていません。

原作ではブーヴィエ・デ・フランドルと言われていますが、実際には「一体に頭も四本の脚も大きく、耳はオオカミのようにぴんと立っていて(中略)がっしりとしたその脚は、いずれも外側にひらいてふんばっていて、見るからに異常な筋肉の発達を示しています」とあります。

耳がたれて、フサフサの毛に覆われたブーヴィエ・デ・フランドルとは、かなり特徴が違っています。どちらかと言うとアニメのほうが、イメージに近いのです。また、アニメのパトラッシュの犬種はシベリアン・ハスキーだと思われていますが、和犬やセントバーナードなどを参考にした、全くのオリジナルなのです。

ラストシーンに隠された逸話

アニメが放送されていた頃、放送にあわせて絵本や児童書が出版され、先に結末を知った視聴者から「ネロを殺さないで」「ネロを助けて」といった内容の手紙が殺到したことも、とても話題になりました。

アニメではイヴの夜に行方不明になったネロを、みんなが必死で探します。しかし、原作では、ネロがいないことに誰も気づかずクリスマスの正午近くになってから、ルーベンスの絵を見て、微笑みながら息を引き取っているのが発見されるのです。

また、アニメで有名な、天使が迎えに来て天に召されるシーンは、スポンサーのカルピスの当時の社長"土倉富士雄"がイメージして実現させました。彼は熱心なクリスチャンで「死に終わりは無く天国への凱旋だ」という考えを持っていたからです。

30年たった今もなお、愛され続ける『フランダースの犬』。みんなが涙したラストシーンには、慈悲の心が関係していたのですね。もし社長がクリスチャンでなかったら、あの感動のラストシーンは違ったものになっていたのかもしれません。どんな物語にも、逸話が隠されているものなのですね。